分野別課題 鉄鋼

このような課題をお持ちではないでしょうか?

国内外の製鉄所内の各工程に、様々な用途でバルブを開発・納入し、高い評価をいただいております。

  • 副生ガスを安定的に制御できるバルブがほしい
  • 圧延工程での工業用水(冷却水)に対応できる、高頻度開閉と耐摩耗性を強化したバルブがほしい
  • リジェネバーナーで使用する、高頻度開閉可能な切り替え弁がほしい
副生ガス制御の課題

副生ガスを安定的に制御できるバルブがほしい

製鉄所内では、コークスガスや高炉ガスなどの大量の副生ガスが活用されており、これらのガスの安全な制御が欠かせません。しかし、副生ガスには粉塵や不純物が混在しています。こうした条件下であっても、副生ガスを安定的に制御するためには、高い耐久性と信頼性を備えたバルブが必要です。

OKMの解決策

流体ごとの性質や設置環境に適したバルブを設計します

  • POINT
    1

    副生ガスの特性に合わせた
    部材選定

  • POINT
    2

    カスタマイズも含めた
    大口径バルブへの対応

  • POINT
    3

    環境に応じた適切な
    温度コントロールに
    寄与する設計ノウハウ

POINT 1
副生ガスの特性に
合わせた部材選定

製鉄所で扱われる副生ガスには、「腐食性を持つ不純物」が含まれ、その成分は製造品目や工程、設備により異なります。こういった環境では特に、部材選定を誤ると、本体/弁体/シートの破損、弁軸の固着などのトラブルにつながる可能性が高まるため、流体との相性を適切に見定めることが重要です。

オーケーエムでは、バルブの使用環境や扱うガスの種類など、お客様からヒアリングした内容と、これまで蓄積してきた熱膨張係数などの各種データを参考にしながら最適な部材選定を行います。
例えば、シートは、標準としてゴム・樹脂・メタルから選定しますが、現場の温度や流体内の不純物への対策を考慮し、特殊対応としてコーティングや複合材もご提案することが可能です。過去には、コークス炉の設備を改修する際にリピート導入いただくなど、高い評価を得ております。

使用環境/ガスの種類に対応する多様なバルブ
POINT 2
カスタマイズも含めた
大口径バルブへの対応

大量のガスを扱う製鉄所では不可欠な「大口径バルブ」にも対応しています(1800Aまで製造実績あり)。お客様のご要望に応じた内径・面間をご指定いただき、設計・製造いたします。
これまで納入したバルブの一例を紹介いたします。​​​​

  • 高温ガス・空気調整弁
  • コークス炉ガス遮断弁
  • アンモニアスクラバー出口弁

オーケーエムでは、お客様の課題や要望を、場合によっては設計者も交えてお伺いしながら、製品として形にしていきます。当社で加工・組立・検査を一貫して行うため、細かなカスタマイズが可能です。 また、ご要望に合わせてエアシリンダー、油圧シリンダー、モーター等の各種アクチュエーター搭載のバルブにも対応しています。

大口径バルブのイメージ写真
大口径バルブのイメージ写真
POINT 3
環境に応じた適切な
温度コントロールに
寄与する設計ノウハウ

コークス炉では、良質なコークスを効率よく製造するため、石炭を均等な温度で加熱するプロセスが重要です。そのため、燃焼エネルギーとして利用される副生ガスの流量を、精密かつ高頻度に調節する必要があります。そこで、「粉塵の詰まりにくい構造」と「1度単位でのバルブ開度調節」を持ち合わせたバルブのご要望をいただき、オーケーエムはカスタマイズバルブ(通称: アンダージェット弁)を開発し、納入した実績がございます。
このような経験を通じて蓄積したデータとノウハウを活かし、お客様の環境に応じた精密な温度コントロールに貢献するバルブをご提案いたします。

コークス炉 イメージ図
バルブの開閉
圧延工程での課題

圧延工程での工業用水(冷却水)に対応できる、高頻度開閉と耐摩耗性を強化したバルブがほしい

製鉄所の圧延工程では、鋼片(スラブ)の冷却時に大量の工業用水が循環して使用されます。強度と延性の両立した高品質な鉄の作り込みのためには、精密な冷却水(工業用水)の調整が必要です。この調整は鉄の品質コントロールに関わる重要な工程で、使用される数百台のバルブには高頻度の開閉が求められます。

しかし、工業用水には、鉄粉や油分等の不純物が含まれています。不純物がバルブに付着・堆積すると、各部品が摩耗や固着を起こしやすく、流体の外部漏れや作動不良の原因となります。そのため、バルブには高い耐摩耗性も必要とされます。

OKMの解決策

高頻度・高圧・耐摩耗対応で、
鉄の温度コントロールを最適化します

  • POINT
    1

    高頻度作動を実現する
    ユニーク構造

  • POINT
    2

    5.0MPaまでの高圧対応
    「バタフライバルブ」

  • POINT
    3

    高い耐久性を
    実現する仕様選定

POINT 1
高頻度作動を実現する
ユニーク構造

鉄の冷却温度の最適化には、冷却水の流量や圧力の精密なコントロールが必要です。そのため、バルブには高頻度な開閉が求められることがあります。しかし、その状況が続くとバルブが摩耗しやすく、素早い開閉が持続できなくなります。

そこでオーケーエムでは、ソフトタッチシート構造(弁体を閉止する際に、緩やかな角度で圧着できる)や、二重偏心構造(全閉寸前まで弁体とシートが接触しない)を採用しています。開閉動作時の負担が減少し、摩耗を最小限に抑えることが可能です。これらの構造により、冷却水制御の応答性向上に貢献しています。

612X/615Xの構造
612X/615Xの構造
54シリーズの構造
54シリーズの構造
POINT 2
5.0MPaまでの高圧対応
「バタフライバルブ」

圧延工程では、高圧な冷却ポイントでバルブを使用することもあります。その際、スペースの関係から「バタフライバルブを使用したい」という要望もあり、オーケーエムでは、圧延工程内の高圧な冷却ポイントに適したバタフライバルブ(5452)をラインナップに加えております。当社の製品であるハイパフォーマンスシリーズから、さらに本体・弁体・弁軸を見直し、耐圧性能を高める設計を施しています。5.0MPaまでの対応が可能で、出荷時には厳密な耐圧検査を実施しています。

5452シリーズ
圧力・温度レーティング
圧力・温度レーティング
POINT 3
高い耐久性を実現する仕様選定

冷却水制御に用いられるバルブには、高頻度作動や鉄粉による摩耗に耐える高い耐久性が求められます。
オーケーエムでは、耐久性向上のため、弁体への特殊な薄膜コーティングやシートに摩耗係数の低い特殊樹脂の使用を提案するケースもあります。これらの対策を行うことで、弁体やシートの摩耗を最小限に抑えています。

また、冷却水制御用バルブの故障原因のひとつに、「鉄粉の付着による噛みこみ」があります。弁体や本体、シート等に粉体が詰まり摩耗することで、外部漏れや故障につながります。この噛みこみを抑制するための、弁体にバフ研磨処理を加えた仕様が、多くのお客様から高い評価をいただいております。

圧延工程
圧延工程
加熱炉での課題

リジェネバーナーで使用する、高頻度開閉可能な切り替え弁がほしい

製鉄所の炉内のバーナーは、燃焼と排気を短時間で調整します。そのため、切り替えに用いられるバルブには「機敏な開閉」が求められます。それに加えて、流体へ粉塵が含まれるため、高い耐摩耗性も兼ね備える必要があります。
また、カーボンニュートラル化に伴い、工業炉内で扱う燃料として有望視されているアンモニアへの対応も今後の課題として想定されます。

OKMの解決策

独自の細かなカスタマイズで、耐摩耗、高頻度、
次世代エネルギーに対応します

オーケーエムでは、業界に先駆けてリジェネバーナー向けに「リジェネ弁」というパッケージ製品をご提供してまいりました。1000台以上の導入実績があり、高い評価を受けています。

  • POINT
    1

    独自設計、
    自社内テストにより
    高い耐摩耗性を実現

  • POINT
    2

    高頻度開閉を強化する仕様

  • POINT
    3

    新燃料である
    アンモニアへ対応

POINT 1
独自設計、自社内テストにより
高い耐摩耗性を実現

製鉄所の加熱炉では、不純物が多い中でも頻繁にバーナーの切り替えを行わなくてはなりません。こういった環境では、流体へ含まれる不純物によってバルブが破損しやすくなります。そのため、オーケーエムでは、独自の「ダストシール構造」や、「かじり対策ブッシュ」を活用した構造を採用し、耐久性の向上に努めています。
例えば、本体・軸部に不純物が入るのを防ぐダストシール構造は、かじりを軽減することにより「耐久性の強化」を実現させています。このように「かじり対策ブッシュ」や「ダストシール構造」などの摩耗対策をリジェネバーナー用にカスタマイズが可能です。

ダストシール設計 かじり対策ブッシュカスタマイズ対応可
POINT 2
高頻度開閉を強化する仕様

リジェネバーナーは蓄熱体のついた2つのバーナーで、一方で「燃焼のための空気と燃料を吹き込み」、もう一方で「排ガスのエネルギーを蓄熱体に回収する」動作を繰り返すことで、炉内の温度を維持しています。この2つのバーナーは、素早い切り替えを行わなくてはなりません。そのためには、高頻度に開閉できるバルブが求められます。

オーケーエムでは、瞬時の作動調整に対応するため、ステムと弁体を固定しているテーパーピンを溶接しています。これにより、高稼働状態でも弁体がズレを起こすことがなく、素早い開閉を実現します。他にも、高頻度対応のシリンダーや耐摩耗設計といった仕様で、高頻度開閉を強化しています。

テーパーピン溶接箇所
POINT 3
新燃料であるアンモニアへ対応

現在、燃料として使われているLNGや副生ガスに加えて、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアへの対応も進めております。アンモニア流体へ対応する場合、耐腐食性と安全性に十分配慮した設計が重要です。リジェネ弁の特長は維持しつつ、バルブ本体・付属品ともにアンモニアに耐性のある材質を選定し、外部漏れ対策を追加した仕様を提案いたします。

リジェネバナー イメージ図
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バルブのことならどんなことでもオーケーエムにお気軽にご相談ください。ご相談内容に合わせて各担当者よりご連絡いたします。

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